群馬県立産業技術センター

Gunma Industrial Technology Center

平成30年度 研究報告

次世代産業創出研究

輸出用に適した群馬清酒酵母の育種に関する研究(第3報)

Breeding of non-urea producing Gunma sake yeasts which are suitable for export

渡部貴志・佐藤勝也・林 秀謙・増渕 隆

[概要]
 発がん性が疑われているカルバミン酸エチルは、清酒酵母が生産する尿素とエタノールの化学反応により生成する。また、清酒中のカルバミン酸エチル含有量に規制値を設ける国が将来的に増えてくることが懸念されている。そこで本研究では、清酒中のカルバミン酸エチル含有量を減らす目的で、群馬県独自酵母の尿素非生産化に取り組んでいる。本年度では、試作株を用いた実地醸造試験を実施し、得られた製成酒のカルバミン酸エチル生成能が低減されたことを確認したので報告する。
[キーワード]
 清酒、群馬清酒酵母、尿素、カルバミン酸エチル、イオンビーム

詳細(PDF 530KB)

試験分析高度化研究

深層強化学習によるロボットのバラ積みピッキング習得(第1報)

Learning of Robot Bin Picking by Deep Reinforcement Learning (1st Report)

町田晃平・石黒 聡・細谷 肇

[概要]
 深層強化学習Deep Q-Learningによるロボットのバラ積みピッキングを提案する。人間の教示を組み合わせたことにより、約10時間の深層強化学習でピッキングに成功した。今後は、本バラ積みピッキング技術や深層強化学習技術を展開し、企業の生産性向上を支援する。
[キーワード]
 AI、深層強化学習、ロボット

詳細(PDF 614KB)

試験分析高度化研究

実稼働振動可視化技術の構築

Development of operational deflection shape visualization method

青栁大志・狩野幹大・新井宏章

[概要]
 内部に加振源をもつ機械や構造物の振動状態は、動特性だけでなく運転中の加振特性にも依存する。振動や騒音、さらには破損に至ったとき、どのような振動状態で運転していたのかを把握することによって問題点を特定し、改善につなげることが期待できることから実稼動振動技術の構築を行った。
[キーワード]
 実稼動モード解析

詳細(PDF 1MB)

試験分析高度化研究

ヒト爪郭部の毛細血管内における血流の画像解析

Analysis on video of blood flow in human nailfold capillary

川原潤也・橋本茂樹・横山 靖

[概要]
 毛細血管顕微鏡の実験機を構築し、実験機で撮影された毛細血管の動画を解析するプログラムを作成した。作成したプログラムを用いて画像解析を行った結果、毛細血管の外径を数値的に評価することができた。
[キーワード]
 AI、深層強化学習、ロボット

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試験分析高度化研究

シャルピー衝撃試験評価による焼結材の品質判定ソフトウェアの開発

The development of a quality assesment software of sintered steels by the evaluation with the instrumented Charpy impact bend tester

鎌腰雄一郎・石黒 聡

[概要]
 粉末冶金製品の製造現場では、時折焼結不足による品質トラブルが起きている。焼結材の機械的特性を決定するのは、密度・焼成温度・焼成時間の組合せである。鉄系焼結材において、これら要素による品質への影響を機械強度や金属組織観察から判断するのは比較的難しいが、靱性評価で焼結材の品質を判定することが有効であると考えられる。
 本研究では、計装化シャルピー衝撃試験機を用いて、衝撃波形を解析することで靱性の評価判定パラメータを見いだし、それらを用いてWindows対応品質判定ソフトウェアを開発した。
[キーワード]
 計装化シャルピー衝撃試験、靱性、焼結、鉄鋼

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試験分析高度化研究

プラスチック混合物の静電分離に関する検討

Attempt to electrostatic separation of plastic mixture

熊澤直人・恩田紘樹

[概要]
 プラスチック混合物を静電分離により分離するための装置を設計、試作した。さらにポリプロピレンとポリアミドより成るプラスチック混合物を静電分離に供したところ、正極側においてPPを81%、負極側においてPAを80%で分離できた。このように静電分離法により、比重分離では分離が困難なプラスチック混合物から各プラスチック材料を分離できることが示唆された。
[キーワード]
 プラスチック混合物、ポリプロピレン、ポリアミド、静電分離

詳細(PDF 525KB)

試験分析高度化研究

鉛フリーはんだ接合部の合金層解析

Analysis of alloy layer in lead-free solder joints

中澤優人・矢澤 歩

[概要]
 本研究では、はんだ接合の界面組織を簡便且つ正確に解析できる方法を探るため、銅板とSn-Ag-Cu系鉛フリーはんだの接合によって形成される合金層について、走査型電子顕微鏡及びエネルギー分散型X線分析(SEM-EDS)による解析を行った。その結果、1)反射電子組成像(BED-C)を利用したEDS点分析、2)フェーズ分析のマニュアル分離、3)観察視野の工夫による3つの方法により、鉛フリーはんだ接合部の合金層を解析する方法を確立した。
[キーワード]
 多変量解析、鉛フリーはんだ、合金層

詳細(PDF 730KB)

試験分析高度化研究

ガス一斉分析技術の確立

Establishment of simultaneous analysis technology of gases

牛木龍二・恩田紘樹

[概要]
 水素(H2)、二酸化炭素(CO2)および微量の一酸化炭素(CO)混合ガスの一斉分析を目的として、熱伝導度検出器型ガスクロマトグラフ(TCD-GC)、メタナイザーおよび水素炎イオン化検出器型ガスクロマトグラフ(FID-GC)を組み合わせた分析装置を設計、試作した。また試作した装置の性能を評価するために、改質ガスを模擬したガス(H2:69.8%、CO2:20.2%、CO:10.0ppm、CH4:10.2ppm)を分析したところ、定量性良く分析できた。このことから微量のCOを含むガスを一斉分析できることが示唆された。
[キーワード]
 一斉分析、改質ガス、一酸化炭素、メタナイザー

詳細(PDF 522KB)

試験分析高度化研究

味覚センサーを用いた分析における前処理方法の検討

Examination of the influence of the sample extraction methods on the results of analysis by taste sensing system

石田一成・櫛田麻希・木村紀久

[概要]
 抽出前処理方法が味覚センサー分析の結果に及ぼす影響について検討を行った。豆腐及びポテトチップスを用いた検討で、抽出前処理の方法により試料の呈味の評価に差が生じることが明らかとなった。
[キーワード]
 味覚センサー、抽出、前処理

詳細(PDF 363KB)

試験分析高度化研究

真菌混在下での細菌数測定系の確立

Construction of bacteria-counting media for fungal intermingled samples

栁澤昌臣・渡部貴志・増渕 隆

[概要]
 清酒造りにおいて、麹米の雑菌汚染はオフフレーバー物質である4-ビニルグアイアコール(4-VG)の生成の要因となっている。また、生酛系酒母造りにおいては、乳酸菌が醪中に残存すると多酸の要因になってしまう。これらのことから、酒造業界から酵母や麹菌などの真菌が混在する条件下で、安価に細菌数を測定する方法の確立が求められている。そこで本研究では、抗真菌性の抗生物質カビサイジンを用い、細菌の生育は阻害せずに真菌の生育だけを抑制する培地条件を検討したので報告する。
[キーワード]
 清酒、麹米、4-ビニルグアイアコール、抗真菌性の抗生物質、培地

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試験分析高度化研究

ものづくりにおける生産性向上に関する研究-切削加工プロセスの生産性向上-

Study on productivity improvement in manufacturing -Productivity improvement in cutting work-

鏑木哲志・新井宏章・黒岩広樹・小宅 勝

[概要]
 ものづくりにおける生産性向上を図るため、切削加工において熟練作業者と同等に加工状態を評価する手法の開発を試みた。生産性の低い低剛性工具による加工を対象として、切削抵抗の時刻歴波形から加工状態を特徴化し、熟練作業者の評価と比較した。熟練作業者が良いと評価する状態は、時刻歴波形の平均値および積分値による特徴化が相当した。本評価手法により切削加工の最適化が可能となる。
[キーワード]
 切削加工、生産性向上、状態評価、最適化

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試験分析高度化研究

ものづくりにおける生産性向上に関する研究-CMMによる検査プロセスの自動化-

Study on productivity improvement in manufacturing -Automation of inspection process by CMM-

鏑木哲志・中村哲也・狩野幹大・小谷雄二

[概要]
 ものづくりにおける生産性向上を図るため、三次元測定機(CMM)による検査プロセスの自動化を試みた。CMMの測定プログラム作成に必要な座標情報を製品の2次元CADデータから抽出する手法を開発した。実際の検査に適用したところ、測定プログラム作成時間を大幅に短縮する効果を確認した。
[キーワード]
 三次元測定機、生産性向上、自動化、CAD

詳細(PDF 459KB)