大気圧直接イオン化質量分析装置のご紹介
~ 金属表面処理剤、金属部品加工材、潤滑剤に含まれる有機化合物類の質量情報を測定できます ~
本装置は、材料や製品表面に付着しためっき液などの金属表面処理剤、金属部品加工材、潤滑剤に含まれる揮発性から難揮発性までの有機化合物類の質量情報を精密に測定します。その精密質量情報をもとに構造推定、異同判別を行います。
本装置は、材料や製品表面に付着しためっき液などの金属表面処理剤、金属部品加工材、潤滑剤に含まれる揮発性から難揮発性までの有機化合物類の質量情報を精密に測定します。その精密質量情報をもとに構造推定、異同判別を行います。
機器名 | 大気圧直接イオン化質量分析装置 |
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型式 | LCT Premier XE / ACQUITY UPLC System |
メーカー名 | 日本ウォーターズ株式会社 |
外観写真 | |
このような試験が可能です (用途) | 材料や製品表面に付着しためっき液などの金属表面処理剤、金属部品加工材、潤滑剤に含まれる揮発性から難揮発性までの有機化合物類の質量情報を精密に測定します。その精密質量情報をもとに構造推定、異同判別を行います。 |
特徴 | 大気圧固体分析プローブ(ASAP:Atmospheric Solids Analysis Probe)を用いた分析では、揮発性や半揮発性の有機化合物類を、加熱した窒素脱溶媒ガス(最大500℃)を使用して気化させた後、コロナ放電によりイオン化させます。フラグメントが発生しにくいソフトなイオン化であるため、分子そのものの質量情報を精密に測定できます。従来のイオン化法にはないASAPの利点は、ガラスキャピラリの先端に付着させることができればそのままイオン化部に導入できるなど、サンプルの調製が容易であることです。クロマトグラフィーによる分離の必要がありません。 また、エレクトロスプレーイオン化(ESI:Electro Spray Ionization)や大気圧化学イオン化(APCI:Atmospheric Pressure Chemical Ionization)によるイオン化も可能です。 さらに、UPLC(Ultra Performance Liquid Chromatograph)を有しているため、難揮発性有機化合物類を分離した上で質量情報を精密に分析することもできます。 |
仕様 | ・大気圧固体分析プローブ(ASAP:Atmospheric Solids Analysis Probe) ・液体クロマトグラフ(ACQUITY UPLC System) ・フォトダイオードアレイ(PDA)検出器 ・飛行時間型質量分析計(LCT Premier XE) |
利用例 | 【植物油と鉱物油の分析】 ASAPを用いて植物油・鉱物油・合成油を分析した例を紹介します。サンプルをガラスキャピラリの先端に微量塗布し、脱溶媒窒素ガスの初期温度は50℃で、分析開始から1分後より昇温を開始し、500℃まで上昇させました。植物油の分析結果を図1に、鉱物油の分析結果を図2に、合成油の分析結果を図3に示します。 昇温を開始してまもなく、揮発しやすい成分のマススペクトル(1)が検出され、その後比較的ゆっくりと揮発する成分のマススペクトル(2)が検出されました。 特に(2)の部分のマススペクトルにおいて、試料3点の間に明確な差がみられました。赤外分光分析(IR)では炭化水素基やエステル基といった官能基で判別するのみですが、ASAP-MSでは各成分の分子量がわかるため、より明確に判別することができました。 図1.ASAPを用いた植物油の精密質量分析で得られたトータルイオンクロマトグラム(TIC)とマススペクトル 図2.ASAPを用いた鉱物油の精密質量分析で得られたTICとマススペクトル 図3.ASAPを用いた合成油の精密質量分析で得られたTICとマススペクトル |
設置場所 | 群馬産業技術センター(前橋) |
担当係 | 環境・エネルギー係 |
連絡先 | TEL:027-290-3030 |
導入年度 | 2009年度 |
補助事業名 | 財団法人 JKA補助事業 |