群馬県立産業技術センター

Gunma Industrial Technology Center

メールマガジン 第6号


■■■■ 群馬県立産業技術センターまる得通信めーる版(第6号)

■ ■■   群馬県立産業技術センター
■  ■     Gunma Industrial Technology Center
■■■■      2004.6.25(金)発行

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♪♪♪♪♪ 第6号の目次です ♪♪♪♪♪

○産技セ主催セミナー等の情報
 ・材料試験技術講習会(04/7/14)
 
○製品開発にご利用下さい
 ・R&Dサポート事業『特許権化段階』第2次募集について
 ・共同研究事業
 ・産業デザインドクター制度

○科学技術週間関連行事レポート
 ・ポスター発表要旨 <2>

○技術情報

○編集後記

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○産技セ主催セミナー等の情報

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☆ 第16回材料試験技術講習会の開催の御案内
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【目  的】 若手技術者を対象に熱処理に対する理解を深めるため、鉄鋼
材料の各種評価方法に関する講習会を行います。

【内  容】  実習形式で各種試験機器を取り扱っていただきます。
        1時間30分の実習を、4テ-マを受講していただきます。

        <1>材料の強度評価(材料の強さ、伸び、絞り、耐力など)
           講師:産業技術センター 西村
        <2>材料の硬さ評価(ロックウェル硬さ、ビッカ-ス硬さ)
           講師:産業技術センター 後藤
        <3>金属組織(金属組織の現出)
           講師:産業技術センター 薄波
        <4>火花試験、炉温度測定、変形測定
            (火花試験、目視による炉温度測定、振れの測定)
           講師:(有)利根ハード 関、 産業技術センター 須田

【日  時】  平成16年 7月14日(水) 午前9時から午後5時まで

【会  場】  群馬産業技術センター
        (〒379-2147 前橋市亀里町884-1、電話(027)290-3030)
        センター内第2研修室に午前9時までにお集まりください。

【持参品】   筆記具、電卓、受講料。作業着を着用してきてください。 
 
【定  員】  12名(定員に達し次第締め切りらせていただきます。)

【受講料】   群馬県熱処理技術研究会 会員 :3,000円
                        (昼食代を含みます。)
        群馬県熱処理技術研究会 会員外:6,000円
                        (昼食代を含みます。)
 
【申込方法】  セミナー名、会社名、所 属および職名、参加者名、年齢、電
        話番号、FAX番号を記載してFAX又はe-mail(下記、薄波あて)
        でお申し込み下さい。
        受講の可否について、後日ご連絡いたします。
        なお、受講料は当日お支払い願います。
      宛先   群馬産業技術センター内
         群馬県熱処理技術研究会事務局
                  (担当 機械グループ 薄波 宛て)
        FAX:(027)290-3040
        e-mail:git@tec-lab.pref.gunma.jp

【申込締切】  平成16年 7月 2日(金)

【担  当】  機械グループ 薄波



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○製品開発にご利用下さい

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☆R&Dサポート事業『特許権化段階』第2次募集について
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【目的】 
 群馬県では、中小企業の皆さんが事業化した新技術・新製品の権利化を行おう
とする活動を支援するため、平成16年度分のR&Dサポート事業『特許権化段階』
の第2次募集を行います。

【応募資格】
 県内に主たる事業所を有する中小企業者等で、過去に新製品開発に係る県の補
助金制度及び認定制度等を活用して新製品(新技術を含む)の研究・開発等を行
い、その研究・開発成果の権利化を行うとする者

【対象事業】
 新技術・新製品の研究・開発成果の権利化を行う段階である特許出願

【対象経費】
 新技術・新製品の研究・開発成果の権利化を行うための特許出願経費の一部

【支援内容】
 補助限度額:対象経費と認められる額の1/2以内で、50万円以内

【応募期間】
 平成16年7月1日(木)から平成16年8月31日(火)午後5時まで
(持参または郵送)

【応募方法】
 所定の申請書を作成し、提出してください。

 ※詳細は、こちらをご覧ください。
 → http://www.pref.gunma.jp/g/03/r&d/16rd-tokkyo.htm 

【お問い合わせ・応募先】
 群馬県産業経済局工業振興課技術支援グループ 堀
 Tel:027-226-3358
 e-mail:hori-ka@pref.gunma.jp


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☆共同研究事業
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  群馬県立産業技術センターでは、依頼試験、分析や技術相談などによる技術
 支援に加え、より一層の中小企業の皆様の個別ニーズに対応するため、共同研
 究事業を実施しております。
  センターでの共同研究事業には次の3タイプがあります。

1 共同研究
  当センターが、外部の企業等と研究を分担し、双方の技術、知識等を相補う
  ことで研究を進めるものです。当該研究を共同研究として行うことにより、
  効率的かつ優れた実績が期待されるテーマが該当します。

2 受託研究
  中小企業等の研究・製品開発を支援するための研究制度です。企業のニーズ
  に基づく研究調査、試験、試作等を企業者の委託に基づき行います。
  研究費は全額企業負担とし、別に定める算出基準により算出された金額を県
  に納付して頂きます。

3 開発研究調整費制度
  新技術・新製品開発の支援を目的とした制度です。特に、自社だけでは技術
  的に解決が困難な課題や企業発展の原動力となりうる課題等を選定しお申し
  込み下さい。
  本制度は、企業が負担する研究費に一部県が負担する研究費が付加されます。
  また、研究内容に応じて、研究費の総額、内訳を柔軟に設定できます。
  なお、本制度は群馬県内に主たる事業所を有する企業者を対象とします。


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☆産業デザインドクター制度
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  この制度は、ぐんまデザイナーズリストに登録された県内デザイナーの中か
 ら事業の実施に関し適当と認められるデザイナーを「産業デザインドクター」
 として、企業に数日間派遣するものです。
  派遣先で、産業デザインドクターは、企業の実施する製品開発、パッケージ、
 展示装飾等でのデザイン開発を助言支援することにより、そのデザイン開発力
 をアップさせ、企業のデザインによる活性化を図ります。

・支援方法
  1企業6日以内とし、産業デザインドクターに対する費用負担は、県は1回
 (1日)につき謝金1万4千円及び旅費を負担し、派遣依頼者は1回につき謝
 金6千円を負担していただきます。

・支援対象企業
  県内の中小企業者 H16年度は概ね7社を予定



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○科学技術週間関連行事レポート

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☆ポスター発表要旨 <2>
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 本年度の科学技術週間では、平成15年度に産業技術センターで取り組んだ研究
成果をポスターセッション形式で発表しました。今回は、機械技術関係とバイオ関
係の発表要旨をご紹介します。


「時系列解析手法による機械システムの異常検出・診断機の開発」 機械G 宋

 切削加工時の加工異常の検知や加工面状態の変化は作業者の経験と五感に頼る
ところが多い。そこで、本研究では、これらをリアルタイムで推定可能な異常診
断機を開発した。実施内容は以下のとおりである。1)エンドミル切削加工時に
検出される瞬時の振動加速度信号を、切削加工の力学モデルに対応する時系列モ
デルから求めた推定値と実測値との残差を評価することで加工異常の検知や加工
面状態の変化をリアルタイムで診断した。2)この診断手法をもとに診断機のソ
フトウェアとハードウェアを試作した。3)市販のパソコンにセンサとA/Dコン
バータを外付けすることによって異常診断が可能なシステムを構築した。


「ナノメートルオーダーの表面改質を利用した脆性材料の接合とマイクロリアク
ターの作製に関する研究」 機械G 田島

 近年加速する部品の微細化、多機能化、そして環境への配慮や高い安全性に対
する要求などに伴い、接着剤などの異物を用いない高精度で高品質な接合が求め
られている。また、熱膨張係数が異なる材料の接合方法として、高真空中で被接
合物の表面を活性化し接合を行う、表面活性化常温接合が注目を集めている。
三次元構造体であるマイクロリアクター(微小化学反応槽)作製のための要素技
術となる、レーザ表面活性化常温接合について初期的な研究を行った。


「環境適合製品の評価に関する研究」企画情報G 真下、技術支援G 行方、吉澤

 現在では、製品の性能以前に、製品の安全と安心、生活環境の快適さの維持、
環境への影響のないことが求められており、製品の環境適合性が重要になってい
る。電子機器や自動車部品・電装品で要求されている騒音の低減による静粛化、
及び電磁的耐性に対応するため、音響及びEMC分野の評価機器を導入した。評
価システムの概要、評価項目、評価事例等を発表した。


「軽合金への表面処理技術の開発」 機械G 後藤、青木

 本研究はマイクロアーク技術を利用して、軽合金の表面にアルミナ系セラミッ
クス質皮膜を形成し、軽合金材料への表面処理技術を確立させた。2002年度は、
処理装置の開発を行った。結果的には皮膜は形成されたが、性質は硬くて脆く、
剥離しやすいことがわかった。2003年度は、処理装置の改良と皮膜成形条件の
確立、皮膜自体の状態の検証を行った。その結果皮膜は形成され、ある程度の
皮膜形成が可能になった。


「湯流れ・凝固解析技術を利用したダイカスト品の品質向上実用化技術研究」
  技術支援G 荻野

 金型や水管を含めたトレイ状ダイカストモデルを対象に、コンピュータシミュ
レーションにより鋳造条件と変形量の関係を調べた結果、最適条件と収縮率を推
定することができた。また、最適条件のサンプルは温度むらの少ない、また温度
変化に即応しやすい金型環境を保持していることがわかった。


「 デジタルイメージベース工学に関する研究」 生産システムG 小宅

 工業用のX線CT装置を用いることで、金属や樹脂部品の形状を内部も含めて
測定することができる。本研究ではアルミニウムダイカスト製品の現物から湯流
れ解析用モデルを生成することを目的としたが、測定範囲上の制限のため、方案
を含めた状態ではスキャンできなかった。そこで、複雑な形状を有する製品部分
のみをCTスキャンし、方案の3次元CADデータと位置合わせを行うことで解
析用モデルを生成した。この方法により、3次元CADの約1/6の工数により
モデル生成が可能となった。


「ISO17025プロジェクト」 企画情報G 真下、電子情報G 田辺、中澤、
             技術支援G 小谷、機械G 鏑木、 鎌腰

 製品・部品を測定・試験したデータの信頼性を確保するために、 ISO 17025に
基づく認定試験所が求められている。強制法規への対応や貿易の自由化のため、
また、ISO 9000における測定機器のトレーサビリティ要求においても、 ISO 170
25に基づく認定試験所が必要となってきている。そこで、公的な試験研究機関と
しての取り組み状況と、電気分野では交流電圧校正の試験所間比較に参加したの
で、その結果について報告する。


「キャベツのホスフォリパーゼを用いた酵素リアクターの研究」 環境材料G 仁科

 群馬県はキャベツの一大産地であり、平成13年の生産量は全国第2位で、夏
から秋(7~10月)の生産量では、全国第1位である。規格に合ったキャベツ
の葉の部分は出荷されるが、規格はずれ品や根は、圃場廃棄すなわち鋤き混みに
より処理されている。我々は、廃キャベツを廃棄物でなく資源と考え、有効利用
の可能性を探索している。キャベツには特殊な酵素、ホスホリパーゼDが含まれて
いることが知られている。ホスホリパーゼDは、油脂の改質に用いることができる
酵素で、ホスホリパーゼDを利用して、生理機能を有する油脂を製造することがで
きる。
 我々は、廃キャベツ中のホスホリパーゼDをマイルドな方法で抽出し、抽出した
酵素をコンニャクゲルに埋め込んで固定化酵素とした。さらに得られた固定化酵
素を用いてバイオリアクター(連続反応装置)を試作し、実用性を確認した。


「バイオ技術による県農産物の付加価値向上」
         食品バイオG 増淵、高橋(仁)、関口、環境材料G 仁科

 産業技術センターで開発した製パン用酵母1-6株は、パン製造工程において著量
のトレハロースを生産するため、冷凍生地方式のパン製造に適している。更に有
能な酵母の開発を意図し、効率よくトレハロースを生産する機構の解明を試みた。
トレハロース代謝に関与する遺伝子情報を解読し、野生株と比較したところ、ト
レハロース分解酵素に変異が起きていることが示唆された。分解系の機能が低下
したためトレハロースが蓄積しているとの仮説に立ち、更に検討を進めている。



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○技術情報

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「リバースエンジニアリング」

 通常、工業製品はコンピュータの中で設計され、そのデータを元に製品を作り
ます。この逆を行くのがリバースエンジニアリングです。どういうことかという
と、まず現物の形があり、その形をコンピュータに取り込んで利用する技術です。
たとえば人の手により作られた品物を複製したい、といった場合にも使えます。
実際には、現物あわせにより手修正された金型のデータ化、デザイン性の重視さ
れたクレイモデルのデータ化などに使われます。
 形をどのようにコンピュータに取り込むかというと、デジタイザという計測器
で表面を測定して座標点(X,Y,Z)を大量に取り込みます。その点をもとに、C
ADデータを作成し、切削加工や積層造形で金型や試作品などを作ります。デー
タ化することで、拡大縮小等の編集ができたり、左右反対の物ができたり、デジ
タル保存できるといった利点があります。
 東毛産業技術センターでは、このリバースエンジニアリングによる依頼試験が
可能であり、実績を上げています。また今年度「リバースエンジニアリングに関
する研究」を行い、適応範囲の拡大、効率化について研究します。

(技術支援グループ 中村哲也)



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○編集後記

 機械技術、バイオ関係を中心に昨年度研究成果をまとめてみましたが、いかが
でしたでしょうか。来月号以降、他の発表要旨についても順次ご紹介していこう
と思っています。今後の紙面構成についてご意見、ご希望がありましたら、下記
メールアドレスまでご連絡下さい。
  

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ださい。

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