群馬県立産業技術センター

Gunma Industrial Technology Center

メールマガジン 第4号


■■■■ 群馬県立産業技術センターまる得通信めーる版(第4号)

■ ■■   群馬県立産業技術センター
■  ■     Gunma Industrial Technology Center
■■■■      2004.4.23(金)発行

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♪♪♪♪♪ 第4号の目次です ♪♪♪♪♪

○巻頭言

○産技セ関連のイベント等の情報
 ・群馬県試験研究機関合同研究成果発表会の御案内(04/5/14)

○科学技術週間関連行事レポート
 ・事例紹介
 ・各グループの技術シーズ、対応可能な依頼試験等の紹介

○技術情報

○編集後記

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○巻頭言

--産業技術センターは、継続的に進化します。--

 産業技術センターに生まれ変って二年目を迎えました。センターは県内中小企
業の新製品・新技術開発に役立つ組織であり続けるために、今後とも時代に遅れ
ることなく変わって行きたいと考えています。新たな目標として、「全国一利用
率の高い公設試験研究機関」を目指します。今後とも企業の皆さんのご意見を伺
いながら、業務の三本柱(技術支援、開発研究、情報提供)を充実させていきた
いと考えています。今後とも積極的にセンターのご活用宜しくお願いします。

(群馬産業技術センター 所長 植松 豊)




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○産技セ関連のイベント等の情報

★群馬県試験研究機関合同研究成果発表会の御案内★

【開催趣旨】 科学技術振興への機運が高まる中、各々の試験研究機関は、独自
性・独創性に富んだ特徴ある研究に取り組むことはもとより、試験研究機関相互
や産学官の連携など、異分野の業種と結びついた共同研究に力を注ぐようになっ
ています。このほか各々の試験研究機関においては、時代の求める課題に対して
も積極的な取り組みを展開しており、第3回目となる今回の発表会では、「地産
地消」と「安心・安全」の二つのテーマのもと、最近の試験研究によって得られ
た成果を発表いたします。

※※一般の方も参加できますので、下記問い合わせ先までご連絡下さい。※※

【開催日時】
日時:平成16年5月14日(金)10:00~
場所:群馬会館大ホール
前橋市大手町二丁目1-1 Tel 027-22-4850
主催:群馬県8試験研究機関合同研究成果発表会実行委員会

【プログラム】(タイトル、発表者、要旨の順に掲載)

○一部発表会(テーマ「地産地消」)
10:20~10:45 1 群馬の最高級ニジマス「ギンヒカリ」の特徴
           水産試験場 茂木 実
         ギンヒカリについて、形態、成長、成熟状況、肉質等の面か
         ら他のニジマスと異なる特徴を解析すると共に、育種の経緯
         や生産体制及び消費の動向について解説する。
10:45~11:10 2 観光リンゴ園の販売戦略
           農業技術センター 高橋 伸幸
         観光リンゴ園は、品種育成や各種栽培技術の普及によりのび
         てきた。さらなる発展のため、経営的手法を使って、来園者
         がより満足してもらえるための方法について検討を行った。
11:10~11:35 3 群馬オリジナル蚕品種を活用した蚕糸業活性化への取り組み
           蚕業試験場 町田 順一
         蚕糸業の活性化は特徴ある繭、生糸生産とそれを利用した製
         品化の取り組みが重要であり、そこには消費者が安心して消
         費できる製品提供が求められる。
11:35~12:00 4 繊維製品開発事例の紹介~最近の出願特許から~
           繊維工業試験場 久保川博夫
         企業と共同出願した特許の中から、着色絹パウダーを固着さ
         せて繊維製品に特徴的な色彩を付与する技術と、新規フィル
         ム素材による難燃性金銀糸の開発について紹介する。
 
○二部発表会(テーマ「安心・安全」)
13:00~13:25 5 高性能炭素繊維電極によるウイルス除去法・除去装置の開発
           衛生環境研究所 木村 博一
         高性能炭素電極によるウィルス除去法・除去装置の開発に関
         する研究会を行った。本装置を応用することにより、環境水
         中に存在するウィルス等の粒子を効率的に除去できる可能性
         が示唆された。
13:25~13:50 6 高性能循環式オゾン水殺菌、殺滅装置の開発
           衛生環境研究所 森田 幸雄
         オゾン水によるポリオウィルスの殺滅効果及び外国産食品材
         料の殺菌効果に関する研究を実施した。オゾン水は、ポリオ
         ウィルスや食品中の細菌を効果的に制御可能であることが示
         唆された。
13:50~14:15 7 国内産モミ殻の肉用牛への有効利用
           畜産試験場 浅田 勉
         国内産モミ殻の粗飼料としての利用面に着目し、黒毛和種の
         飼料として肥育全期間給与しても、発育や肉質に問題なく、
         安心・安全な牛肉生産が可能であることを解明した。
14:15~14:40 8 遊具や転落防止柵などに使われる木製土木用材の促進劣化試
         験
           林業試験場 町田 初男
         遊具や土木資材として使用される防腐処理技術について、促
         進劣化試験を行い、耐朽性能を検討したところ、処理時の含
         水率による耐朽性能の違いが確認できた。
14:55~15:20 9 ゆとりと快適作業のための施設キュウリ栽培技術
           農業技術センター 金井 幸男
         施設キュウリの栽培・作業環境を改善したところ、作業時間
         が短縮でき、ゆとりが生まれた。さらに、草姿が改善され、
         陽光が下の葉まで届き、収量を増やすことができた。
15:20~15:45 10 小型・高性能の脱臭装置の開発
           群馬産業技術センター 鈴木 崇
         工業地帯に限らず住宅地域近傍のサービス業、畜産業など中
         小事業者が原因となる悪臭問題が顕在化しつつある。本報告
         では生活の安心・安全を考えた脱臭装置の産学官連携による
         開発状況を述べる。

○特別講演
15:50~16:05 群馬県の科学技術振興と科学技術振興室の設置
         群馬県科学技術振興室長 上石 洋一

16:05~17:05 公設研究所と大学で地域の活性化をはかろう
         群馬大学地域共同研究センター教授 須齋 嵩

【問い合わせ先】 
      群馬県水産試験場027-231-2803 群馬県林業試験場027-373-2300


 
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○科学技術週間関連行事レポート

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☆事例紹介
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テーマ1 悪臭物質分解除去技術の開発
発表者  生産システムグループ 鈴木
内容  産学官共同で行った、悪臭物質分解除去に関する研究が報告された。
近年、悪臭に関する苦情が増加しており、さらに悪臭の発生源が工場から生活地
域に移りつつある。それに伴って、従来より小型で場合によっては新しい原理の
脱臭装置が求められている。これまでの研究で、プラズマと紫外線を用いて悪臭
物質を分解除去するシステムを開発することができた。このシステムの概要と処
理能力について報告があった。大きさを1/20程度にすることができるので、住宅
地にも設置可能となる。

テーマ2 時系列解析手法による機械システムの異常検出診断機の開発
発表者  機械グループ 宋
内容  産学官共同研究で開発した機械システムの異常を検出するシステムにつ
いて報告された。
近年、加工の高精度化が著しいが、それに伴って従来人の五感に頼っていた加工
異常や加工面状態の診断技術の確立が強く求められるようになった。本研究では、
加工時の振動の理論値と実測値の差をリアルタイムで計測し、そのデータから工
具の摩耗や欠損を検出するシステムを開発した。さらに、現場での使用を考慮し
た小型の診断機の試作を行った。今後は、洪水時の流量変化や橋脚の安定性等を
リアルタイムで推定し河川環境の健全性を診断する研究に取組む予定である。

テーマ3 バイオ応用プロジェクトの紹介
発表者  環境材料グループ 仁科
内容  バイオ応用プロジェクトは開始して半年だが、その間に・廃キャベツか
ら抽出した酵素を用いたリアクターの開発・廃マイタケおよびコンニャク飛粉に
よる神経細胞活性化・各種炭化物の製品化サポートを初め多くの研究を手がけた。
規格外のキャベツは畑に鋤き込まれるなどされていたが、これらを廃物ではなく
資源ととらえ直し、ホスフォリパーゼ(医薬・機能性素材となるレシチンを得る
酵素)を抽出した。この酵素の活性を弱めずにコンニャクゲルに担持し、連続反
応が可能なリアクターを開発した。

テーマ4 リバースエンジニアリングについて
発表者  技術支援グループ 中村
内容  リバースエンジニアリングとは、CADデータから製品を作るのではなく、
現物を元にCADデータを作る技術である。得られたCADデータを利用してレプリカ
や設計図を作成したり、構造解析を行ったりできる。
非接触3次元デジタイザーや医療用CTスキャンで現物を測定しポリゴンデータや
面データを得て、設計図を作成したり光造形を行ったりした。事例として、”70
cm程度の模型を基に7m程度のモニュメントのデータを得て重量や重心の計算をし
た”ものや、”御輿の飾り人形の複製品を作って、本物を大切に保存し複製品を
使用する”ことへの応用などがある。
 

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☆各グループの技術シーズ、対応可能な依頼試験等の紹介
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○電子情報グループ/群馬産業技術センター
 業務の形態で分類すると依頼試験・技術相談・機器開放・受託研究・共同研究
・プロジェクト研究・個別研究・人材育成を行っている。業務内容は、電気・電
子材料の特性評価、電子回路の波形観測やノイズ測定、電気・電子計測機の校正、
電子回路の基板試作、電子部品・電気製品の動作試験など電子・電気一般に及ん
でいる。電子計測機の校正は、民間の業者に比べ廉価で高サービスであると自負
している。事例としてチップ部品の寿命推定などの実績がある。

○機械グループ/群馬産業技術センター
 機械グループは、主として機械加工技術、精密計測技術、機械部品の故障解析
技術、CAD/CAM/CAE利用技術について研究・支援を行っている。今年度は、故障
診断システムの検証実験、非接触微細加工技術開発、常温接合技術開発、ISO170
25の取得を行う予定である。加工機器、精密測定機器、各種電子顕微鏡、材料強
度試験測定機を中心に充実した設備を所有している。

○生産システムグループ/群馬産業技術センター
 生産システムグループで受けている業務の8割方は、耐候性、振動、温湿度、
非破壊、落下衝撃に関することである。耐候性および振動は、温湿度なども加え
た複合的な環境での試験が行える。非破壊検査はX線を用いて内部を観察し、3次
元画像で表示できる。グループ員は幅広い専門分野から集められており、あらゆ
る相談に対応できる。高速度カメラ、ヘーズコンピュータ、赤外線熱画像装置、
CAD/CAM/CAEシステム、ダイヤモンドショット試験機などが主要設備である。

○環境材料グループ/群馬産業技術センター
 環境材料グループでは、材料分析・材料表面処理・高分子材料・環境リサイ
クルなどを専門としている。耐腐食試験、窯業関連の試験、軽油分析もここで行
う。主要設備としては、X線マイクロアナライザー・ICP・イオンクロマト・IR・
SEM・AFMなどを有している。昨年度はプロジェクト研究3つを行い、今年度もナ
ノ材料デバイス開発、バイオ応用技術の可能性調査研究の2つを行う。その他、
特定研究として生分解性プラスチック分解菌のデータベース作成も行う。

○食品バイオグループ/群馬産業技術センター
 センターの業務の三本柱は開発研究・技術支援・情報提供だが、これは食品バ
イオグループにも当てはまる。新聞報道されたKAZE酵母は当グループで開発され
た。技術相談の件数はセンターの1/3を占めており、内容としては新製品開発
・品質管理・製造技術に関するものが多い。企業訪問も積極的に行っており、前
述のKAZE酵母の普及を図っている。依頼試験の内容は、成分・添加物の分析を初
めとして、食品の性状試験・組織試験、微生物試験、工業用水の分析などを行っ
ている。

○技術支援グループ/東毛産業技術センター
 電子電気・機械・材料の分野で、依頼試験・技術相談・機器開放・受託研究・
共同研究・施設開放を行っている。電子電気分野では電波ノイズの評価・対策に
強みがあり、3m法電波室を初め電磁波に関する実験室が充実している。機械分野
では非接触3次元デジタイザーを有し、リバースエンジニアリングを得意とする。
また、各種の強度・硬さ試験機も備えている。材料分野では、成分分析、非破壊
測定、環境試験(温湿度・耐候・耐光)の機器を揃えている。





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○技術情報

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品質工学の勉強会

 品質工学はコスト削減と研究開発期間の短縮を可能とする革新的な技術であり、
その中心は大きく、「経済性に基づいた品質評価の具体的方法」、「製品や技術
の機能性評価の方法」、そして、「コストを掛けずに品質を造り込む具体的な方
法」の3つに分けることができます。
 元群馬大学客員教授 星野雅俊先生を講師に迎えて行われた、生産加工技術研
究会 機械技術分科会 品質工学セミナーも平成15年度で3年目を迎えることがで
きました。平成15年度は全3日間のセミナーと4回の事例検討会を行い、品質工
学の入門から実際の事例研究まで、延べ124名の方が参加されました。
 平成16年3月16日には年度のまとめとなる「品質工学手法による技術開発課題
解決と事例発表会」として、星野雅俊先生の講演と5件の事例発表を行いました。
この発表会には定員を上回る55名の参加者があり、品質工学に対する関心の高さ
が伺われます。
 群馬産業技術センターと群馬県生産技術研究会では、平成16年度も引き続き品
質工学セミナーを開催いたします。皆様振るってご参加下さいますよう、どうぞ
よろしくお願い申し上げます。
   (機械グループ  青木 隆行)



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○編集後記

 新年度となり、編集担当も一新となりましたが、従来からの基本コンセプトで
ある、『顧客(=企業の皆様)満足の向上』と『最新の情報を迅速にお届けする』
という基本姿勢を堅持して編集を進めていきたいと思います。
 しかし、情報の収集というのは意外と大変なもので、前任者のような充実した
紙面とまでは行かなかったことを深く反省しております。
 不慣れながらも紙面の充実を目指していきますので、宜しくお願いいたします。

  

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