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活性酸素消去能の測定法

群馬産業技術センター 材料・食品グループ 高橋  

テーマ 活性酸素消去能の測定法
技術分野 食品、バイオ技術
掲載内容  「活性酸素」はスーパーオキシド(O2−)、過酸化水素(H2O2)、ヒドロキシラジカル(HO・)、および一重項酸素(1O2)の4種類に分類され、いずれもその強い酸化力により正常細胞を攻撃し、ガン、生活習慣病等に大きく関与しているといわれています。ストレス等により生体内に生成された活性酸素のひとつ「スーパーオキシド」は同じく生体内に存在する生体内防御酵素SOD(Superoxide Dismutase)により消去されますが、生活環境の変化により過剰生成されたスーパーオキシドは消去できません。そこで、不足したスーパーオキシド消去物質を食品より摂取したいという多くの要望に応えて食品に含まれているスーパーオキシド消去物質の検索が熱心に行われてきました。食品に含まれる消去物質としては野菜など植物素材に含まれるアスコルビン酸(ビタミンC)やフラボノイド類、ワインやお茶に含まれるポリフェノール類をあげることができます。今後も様々な食品素材から新しい活性酸素消去物質が発見される可能性も高く、機能性食品や医薬品資源の開発分野で大きな注目を集めています。
 食品のスーパーオキシド消去能力は、全ての食品を同じ規格で比較するために1U(単位)のSODに相当するスーパーオキシド消去能力を「1SOD単位」として定義して測定する方法が一般的にとられており、この時測定された活性が「SOD様活性」と呼ばれています。このSOD様活性は食品中のスーパーオキシド消去物質が異なっていてもそのスーパーオキシド消去能の比較が容易であるため、機能性食品の性能比較によく用いられています。
 スーパーオキシド消去能を測定する方法としてはニトロブルーテトラゾリウム(NBT)還元法、化学発光法(ケミルミネッセンス法)、電子スピン共鳴法(ESR法)等が報告されています。今回は感度や特異性に優れていると言われる電子スピン共鳴法(ESR法)を用いた測定方法について検討し、以前に行った化学発光法との比較も行いました。また群馬県の特産品である梅のエキス分を異性化液糖で抽出した「梅果汁抽出液」について、ESR法を用いてSOD様活性を測定したのであわせて紹介します。
 SOD様活性は、ヒポキサンチン−キサンチンオキシダーゼによるスーパーオキシド発生系とESRスピントラップ法を用いて測定しました。SOD濃度とスーパーオキシド消去率から作成した検量線より、スーパーオキシド消去率10〜70%の範囲において測定が可能でした。スーパーオキシド消去率が40〜70%の範囲で測定が可能な化学発光法と比較して測定範囲の広いことがわかりました。また試料に含まれるスーパーオキシド発生阻害物質は、見かけ上のスーパーオキシド消去につながるため、その存在を確認する必要があります。化学発光法では阻害物質の存在を確認することは困難ですが、ESR法を用いると、スピントラップ剤の添加量を変えて測定を繰り返すことで阻害物質の存在を簡易に確認できることもわかりました。
 ESR法を用いて梅果汁抽出液のSOD様活性を測定したところ、61.9(SOD単位/ml)と同じ梅の加工品である梅酒や梅酢と比較して3〜9倍高い活性を示しました。また梅果汁抽出液を調整するのに用いた原料梅を果肉と種子に分けてそれぞれを水と80%エタノールで抽出した抽出物についてSOD様活性を測定した結果について図に示しました。果肉抽出物と比較して種子の抽出物は活性が高いことから、梅果汁抽出液のスーパーオキシド消去物質は梅の種子から抽出されている可能性が示唆されました。
 今後はフェントン反応を用いたヒドロキシラジカル発生系とESR法を利用したヒドロキシラジカル消去能の測定方法についても検討を行っていく予定です。
原料梅のSOD様活性 原料梅のSOD様活性
掲載日 平成20年3月27日付「ぐんま経済新聞」掲載